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20021228
んふらわあ(2002/12/28)

 車で走ることが何故楽しいのか?
 単純に操作するのが楽しい。
 自分の思い通りに動かすことが楽しい。
 それもある。それだけなら同じところをぐるぐると走りつづけていれば欲望は満たさせる。
 それだけではない。自分の見たことのない道路。景色。それを見るのが楽しいのである。未知の体験への興味。それが旅の面白さだろう。今回、九州を走ってみようと思った。まだ走ったことがないからだ。
 年末・年始の休暇を利用することにした。慌しさと平穏さが同居するこの時期にあえて一人旅にでる。九州を走るだけが目的ではない。独りになること。多くの人が家族や友人や恋人と一緒に過ごすこの時期にあえて独りになること。それも目的のひとつだ。孤独はぼくに何を与えるのだろうか。友人Sや友人Kの「一緒に温泉でも行って呑もうよ」という誘いを断り、親からの「いつ実家に帰ってくるの?」という問いにお茶を濁したまま、ぼくは九州へ向けて旅立った。客観的に見てかなり寂しいかもしれない。でもぼくはひとりで旅に出ることをためらうことはなかった。



 - 給油する -
近所
セルフスタンドで 

 九州へフェリーで行くことにした。九州へ向かう長距離フェリーをインターネットや旅行雑誌て調べた。できるだけ南へ行きたい。大阪南港と鹿児島県志布志を結ぶブルーハイウェイライン西日本のさんふらわあ・さつまを予約した。帰りのフェリーはあえて予約しなかった。帰りの日時を決めたくなかったということもある。
出発は28日の18時。乗船はその2時間ほど前からということだ。15時ごろ大阪南港に着けばよいだろう。10時頃自宅を出発すれば十分間に合うと考えていたが、なんと朝5時頃起床してしまった。まあ、大阪までゆっくりと下道を使って行こう。この時間なら空いているだろう。
ぼくは旅の準備を整えた。2,3日分の着替えとパソコン、デジタルカメラをナップサックに積み込み、ビートの助手席に置いた。念のため、寝袋とテントも積み込んだ。まあ使うことはないだろうが。
 冬の夜明けは遅い。午前6時を過ぎても辺りは暗く静まり返っている。近所のセルフスタンドで給油し、トリップメータをゼロにする。いったい今回の旅では何キロ走ることになるのだろう。スタンドで空を見てみた。星は少なかった。やや曇り気味なのだろう。九州の天候はどうだろう。週間天気予報では年末から年始にかけて雨は降らないが曇りの日が多い。真冬の曇り空はなんだか寂しい。できることならからっと晴れて欲しい。ぼくは空を見上げながらそう願った。



- 国道23号 -
空いている

 
- さんふらわあ -
さつま

  国道23号線で名古屋を抜け三重県へ。亀山から国道25号線、名阪国道を使う。道はがらがらに空いている。午前9時30分頃、奈良県天理市に着いた。このままいくと午前中に大阪南港についてしまう。いくらなんでも早すぎる。大阪に入ったところでパチンコ屋を見つけた。休憩を兼ねて、しばらくスロットを打つことにした。10時の開店を待って店に入る。客は少ない。がらがらだった。ネオプラネットで1000枚くらい出した。噂には聞いていたが大阪は換金率が悪い。この店も7枚交換だった。
 2時間ほどスロットを打って、ちょうど良い時間になったため、大阪南港を目指して走り出した。だらだらと下道を走り、途中何度か迷いながらも14時すぎに大阪南港に着いた。
 すでに鹿児島志布志までぼくを運んでくれるさんふらわあ・さつまが入港していた。小学生のころだろうか、いやもっと前だ。幼稚園に上がる前によく見ていた百科事典。さんふらわあ・さつまの船体の横に描かれている太陽を見た覚えがある。昭和40年の後半か。もう30年近く前になる。それほど前に作られた船だとは思わないが、船体は結構古びていた。
入船手続きは15時30分からだった。しばらくフェリー乗り場で入船を待っていた。そういえば昼食を取ってないことに気づいたが、船にのってからゆっくりとビールでも飲もうと思い、フェリー乗り場で食事は控えた。



 
- さんふらわあ -
フェリーに乗る


- さんふらわあ -
フロント。新年の装い

 15時頃から入船手続きが始まった。さんふらわあは一日一便。18時に大阪を出て翌日の8時40分に志布志に到着する。年末ということもあり今日の便は満席だ。あっというまに入船手続きをする客の列ができた。フェリーで眠る場所があるのだろうか。
 窓口で予約番号を言って、車検証を見せ、料金を支払う。志布志まで2等船室で26000円。年末は通常より5000円高い。フェリーへの乗船は15時30分以降になるという。
しばらくフェリー乗り場の待合室でコーヒーの飲みながら過ごす。15時30分近くになると乗客は車へと向かいだした。ぼくも早めにビートに乗り込み、乗船を待った。時間になり、フェリー乗り場に整列した車が次々とフェリーへ乗船を開始した。ぼくも案内係のおじさんの指示に従い乗船した。
 フェリーの中はごうごうというエンジン音が地のそこから響いているかのようにうるさかった。おじさんの指示も良く聞こえないがなんとか駐車し、必要な荷物を持って車を離れた。エスカレータで船内に入る。船は7階までらせん状階段によって結ばれていた。フロントにはまだ正月ではないが謹賀新年の文字が見える。
 ぼくは2等船室。去年佐渡島へフェリーで渡ったとき、広々としたスペースにごろ寝した。それで2等でもゆったりと眠ることができるでしょうと思っていた。甘かった。フェリー乗り場の乗船手続きの際渡された「あなたのお席は503-2」ですというカード。ぼくはその場所に行って驚いた。2等船室壁際にぎっしりと置かれた薄っぺらなマットレスと毛布。ひとり分のスペースは幅30cmくらいだろうか。おいおい、こんなんじゃ寝返りできないじゃねーか。あぐらもかけない。かなり驚いたがもうどうしようもない。いや今考えてみるともう5000円支払って2等寝台にしておくべきだったと思う。
 フロントに言って変えてもらおうかとも考えたが、まあ、どうせ酒飲んだあと数時間眠るだけだから、我慢しようと思い、荷物を置いて船内の探検に出た。
 思ったより狭い。2階から6階までらせん状の階段で結ばれているが、レストラン、売店、ゲームコーナーなどどれも佐渡島へ行くときに乗ったフェリーより狭い。おそらく客室が船のスペース大半を占めているのだろう。それにしても船に乗ったときからずっと続いている音楽が気になる。小学生のころ音楽の授業で聞いたような高い声の女性合唱。
 さんふらわあ〜♪さんふらわあ〜♪太陽になんとかかんとか♪
 今でも頭に残っている。出向するまでの2時間半この音楽が続いた。船の探検は15分で終わった。見るところがないのだ。鹿児島まであと18時間。何をしよう。


 とりあえず甲板に上がって大阪南港の景色を見てみた。風がかなり強い。空は晴れているが気温が低い。冷たい風がぼくの頬を切り裂くように通り過ぎていく。
時刻は16時過ぎ。ちょっと早いが風呂にでも入るか。
 今日のさんふらわあは満席だ。当然風呂も混んでいるだろうと予想したが、時間が早いせいかそれほどでもなかった。サウナがあった。まずサウナに入り、たっぷりと汗をながす。水風呂で熱ったからだをしゃきっとさせた。さあビールだ。
 夕食バイキングでビールを飲もうと思い6階に上がってみたがレストランはまだ営業していなかった。満席のさんふらわあ、乗客は700名以上、レストランはかなり混みあうことが予想される。まあその時は船室でビールでも飲もう。
 そんなことを考えながら船内をうろうろしているうちに出航の18時になった。外はすでに日は沈み真っ暗だ。再び甲板に出てみた。風はますます冷たい。遠くなった大阪南港の明かりがにじんで見えた。風呂上りの温まった体が一気に冷えた。
 アルコールを注入して内から暖めようと思い、レストランに向かったが予想どおり大混雑。しかたなくテレビが置いてある喫茶室とでもいうのだろうか、30名くらいが座れる部屋で生ビールとつまみを買い、飲みだした。生ビールは500円だったと思う。つまみは冷えた手羽先。あまりにも物足りない。自販機で焼そばと缶ビールを買いテレビを見ながらひとりで飲む。
 となりには年賀状を書いている40代くらいのおじさんがいた。筆ペンで書かれた住所はかなり達筆だった。何もこんなところで年賀状を書かなくても良いだろうと思ったが、船旅の過ごし方は人それぞれだろう。
 ビールを飲んでほどよく酔っ払い、もうすることがなくなった。時刻は22時を少し過ぎたところ。到着まで後10時間くらいか。寝よう。そう思い2等船室に向かった。となりの人はいづれも一人旅の男性らしかった。まだルームランプが点灯していてややまぶしかった。ごうごうという船のエンジン音とわずかな揺れが多少気になったが、ほどよく酔っ払ったぼくはまもなく眠りについた。


- さんふらわあ -
甲板から大阪南港を見る

- さんふらわあ -
出航
 


 


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