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20011027
紀・白浜温泉(2003/3/15)

  何度か目の目覚めだった。喉がからからに渇いていた。昨夜、ストレートで飲んだウォッカのためだろうか。少し頭が重い。時計を見ると11時を指していた。
 そんなことはないだろう。ウォッカを飲んで眠りについたの8時頃だ。
 よく見ると枕もとに置いてある時計は止まっていた。携帯電話で時刻を確認すると午前4時過ぎだった。
 ぼくは布団からでてしばらくぼうっとしていた。電源を入れっぱなしにしているノートパソコンのスクリーンセーバが真っ暗な部屋の中で踊っていた。ぼくはノートパソコンに触れて、スクリーンセーバを停止させた。ノートパソコンの画面には、白浜温泉のホームページが表示されていた。
 白浜温泉、崎の湯。日本最古の温泉。
 昨日、ウォッカを飲みながら、「ここへ行こう」と決心したのを思い出した。
 ぼくは小さなナップサックに旅の荷物を積み込んだ。荷物といっても、ディジタルカメラ、温泉セット、コンタクトレンズ用品。その程度だ。
 午前4時30分。アパートから出ると、街灯の灯すわずかばかりの光の中にカーニバルイエローの車体がうっすらと輝いていた。3月になったといっても朝晩は冷え込む。ぼくは白い息を吐きながら、ビートのドアを開け、荷物を積み込んで、セルモータを回した。


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- 夜明け前の刈谷市 -
空は曇り
 SA1.JPG
- 串本付近 -
鉛色の空から雨が降り注ぐ

 出発はできるだけ早い方が良いだろう。道が空いていて、高速道路を使わなくても目的地に早く到達できる。ぼくはそう考えて昨夜は午後8時には布団に入った。睡眠時間は十分だ。ウォッカのせいか、頭が少し重いが、ビートのエンジン音を聞くとそれも忘れる。
 さあ、出発だ。
 BGMは桑田圭祐のアルバム。孤独の太陽。
 カーステレオから桑田の独特のボーカルが流れる。
 ぼくは夜明け前の国道23号線を快調に飛ばした。途中、朝食を取る予定だったが、明け方の空いた道を走るのが楽しくて、それも忘れていた。
 あっという間に愛知県を過ぎ、三重県に入る。
 四日市、鈴鹿を過ぎて、津に入るころ、雨が降り出した。天気予報で土日は雨だということはわかっていた。ぼくはコンビニエンスストアに車を止めて、幌をたたんだ。冷たい雨がフロントウインドウを流れる。
 津から国道42号に入り、紀伊半島を南下していく。交通量は相変わらず少ない。
 尾鷲、熊野、新宮、那智勝浦と夜明けの海沿いの道を走る。晴れていれば潮の匂いと夜明け前の海を堪能できたかもしれないが、降り出した雨はやむ気配を見せない。鉛色の空と暗い海が恨めしかった。
 ほとんど休憩を取らずに2時間半運転し続けたが、あまり疲れは感じていなかった。
 午前8時少し前に串本に着いた。紀伊半島の最南端だ。海岸沿いに車を止めて、海を見てみる紀伊大島や潮岬は暗い雲に覆われて、その鮮やかな緑色の姿は霞んでいた。
 それから走ること1時間。ぼくはようやく目的地である白浜温泉に到着した。刈谷を出発してから約4時間半かかったことになる。


SA2.JPG
- 白浜温泉 崎の湯-
日本最古?

- 白浜温泉 崎の湯-
ちょっと失礼して撮らせていただきました

 白浜温泉崎の湯は海岸に沸いている無料の露天風呂だ。これまで何度か通りかかったことはあるが、駐車場が狭く、車を止めることができなかったため、結局入らなかった。
 今日は時間が早いせいか、それほど混んでいない。露天風呂からやや離れた海岸沿いに車を止めて崎の湯まで歩いていった。小雨がぱらぱらと降っている。それほど寒くはない。
 温泉についてみると管理小屋みたいな建物があった。そこにおじさんが座っていた。無料だと思っていたが、有料になったのかと思い、お金を払おうとすると、おじさんは「温泉は無料ですよ」と言った。どうやら温泉たまごか湯の花を売っているらしかった。
 温泉は完全な露天風呂だが、男女別になっている。脱衣所はなく、浴槽の周りで服を脱いで入る。服を置く棚らしきものはついていた。
 3、4人の先客がいた。中年の話好きなおじさんで、関西弁だった。
 ぼくの後から若者が10名くらい入ってきた。この人達も大阪から来たと言っていた。
 白浜温泉は名古屋からより、大阪からの方が近い。
 湯は少し青く濁っている。温度はそれほど高くない。
 温泉に入りながら、広大な海を見ることができる。天気が良ければ爽快だっただろう
 関西から来たおじさんの話を聞いていると、源泉はもっと高温で、管理人が温度を調整しているとのこと。
 「そっちの奥の方は熱いで」
 そう言われて、湯が湧き出している所に行ってみると、確かに熱い。
 「ここもな、今年の8月から有料になるらしいで」
 「はあ、そうですか」
 関西からきたおじさんとそんなことを話していた。
 湯から上がり、熱った体を潮風で冷やす。なんとも心地よい。体が冷たくなると、また湯に入る。そんなことを何回か繰り返し、温泉を堪能した。


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- 国道425号 -
険しい道でした 
RAKUDA1.JPG
- 国道425号 -
ガードレールがないと怖い

- 龍神温泉 -
美人の湯

- 泉州健康ランド -
結構豪華でした

 時刻はまだ午前9時過ぎ。これからどこへ行こう。
 海沿いの道をずっと走ってきたため、ワインディングが走りたくなった。
 ぼくはカーナビで地図を確認し、紀伊半島の山間にある龍神温泉を目指すことにした。龍神温泉がどんな温泉かはまったく知らない。しかし龍の神なんて、名前がどことなく神秘的に思えた。
 ぼくは龍神温泉へ向けて、ふたたびビートを走らせた。
 龍神温泉へ行く途中、国道425号を走った。山の中の3桁国道はあやしい。いつか四国でも走ったのだが、これが国道か!と思えるほど、険しかった。425号も予想どおり険しい道だった。
 とにかく狭い。落石注意の看板が頻繁に出現する。落石なんて注意しようがないじゃないか。狭いのは車が小さいのでそれほど苦にならないが、ガードレールが時々なくなるのは、はっきり言って怖い。
 ぼくは去年の11月に濡れた路面で、フロントタイヤをロックさせ、あわや即死かという深刻な事故を経験したばかりである。その時はガードレールがあったおかげで無傷ですんだ。
 ビートは楽しい車だ。動力性能は大した事がない。ステアリングはアンダーでシャーシー性能がエンジン性能に勝っているため、安全だと思われる。
 しかし、濡れた路面の下り坂でのブレーキングで、簡単にフロントタイヤがロックして操作不能になることがよくあった。この場合はブレーキをリリースしてやれば良いのだが、タイヤがロックして滑っている状況ではなかなかこれができない。
 ぼくはフロントタイヤを滑らせないように、慎重にやさしくブレーキを踏んだ。特にガードレールがない下り坂では、ロックしたらそのまま谷底へダイブだ。時々転落してくしゃくしゃになったビートが頭の中に浮んだ。一瞬の判断の誤りで事故は起こる。あまりスピードを出すこともなく、山道をとろとろと走り、やがて無事龍神温泉へ到着した。
 龍神温泉は山間を流れる河の近くにあった。あまり大きな温泉郷ではないが、雰囲気は九州の黒川温泉に似ている。ぼくは温泉郷の入り口の駐車場に車を止めて、歩いて温泉に向かった。日本三美人の湯、龍神温泉元湯に入ることにした。後の二つの美人の湯がどこだかは知らない。
 ここの温泉には男女別の露天風呂があった。露天風呂からは流れる河を見ることができる。しかし今日はあいにくうす曇の天候で、それほど良い景色は拝めなかった。温泉はややぬるめでなかなか良かったと思う。ぼくはぬるめのお湯が好きなのだ。
 温泉に入りながら今後の行動を考えた。ここまで来たら、淡路島へ行こう。いつか四国へ行った時、淡路島には下りなかった。何があるのかはよくわからないが、とにかく淡路島へ行こうと思った。
 温泉から上がると時刻は午後4時になっていた。そろそろ今日の宿を決めなければならない。淡路島へは明日渡ることにして、今日は岸和田市にある健康ランドで休むことにした。
 龍神温泉から再び険しい山道を通り、岸和田市の泉州健康ランドを目指す。
 途中休憩を兼ね、パチンコ屋でスロットを打ったため、ちょっと到着が遅くなった。
 午後8時ごろ、健康ランドに到着し、風呂に入って、生ビールを飲み、11時ごろ仮眠室で就寝。

 


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