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20011028
敷と湯原温泉(2003.3.18)

 ああ、きた。
 電流がぼくの頭脳から体中に流れ出し、しびれるような、この感覚。
 意識は、ある。
 確かに、ぼくは、ぼくであることを、認識している。
 しかし、体はしびれて動かない。
 ホテルのベッドに寝ているぼくを、何かえたいのしれないものが押さえつける。
 やめてくれ。
 やめろ!
 誰だ!
 消えろ!
 ぼくは叫んでいるが、声はでない。


 俗にいう「金縛り」である。
 ぼくは体が疲れているとよく「金縛り」になる。意識が目覚めていて肉体が眠っている不思議な状態だ。このような状態は睡眠の初期においてよく見られる。
 あらあ、来るなっと思うと体がしびれたようになって、動かなくなる。気持ちのよいものではない。一番最初にこの状態に陥ったのは中学生のころだったと思う。霊がやってきて、ぼくを苦しめているのだと思った。
 やはり昨日の寝不足のドライブで体が疲労していたのだろう。ぼくは2、3度、金縛りにあった。しかし、それ以降はよく眠れた。
 ホテルの時計を見ると午前7時ちょっと前。
 ぼくはユニットバスに湯を入れながら、テレビを見ていた。どこのチャンネルもイラク情勢ばかりだった。いよいよ戦争は秒読み段階になったようだ。また無意味な血が流されるのだろう。地球上にこんなにたくさんの人がひしめき合っているのだから、喧嘩が起こるのは必然なのだろうか。人は戦闘するように遺伝子レベルで定義されているのだろうか?


 - ビジネスイン倉敷 -
朝食バイキングが安かった



- 倉敷駅前 -
三越デパートが見える

- 古城池高校 -
友人Kの母校
 

 朝風呂に入って目が覚めた。ぼくは2階にあるレストランで朝食バイキングを食べることにした。なんと300円でパンとサラダとコヒーが食べ放題。ぼくはパンを5切れも食べてしまった。サラダも大盛り。これではホテルは赤字ではないのか。
 レストランで多くのビジネスマンを見た。みなこれから仕事に行くのだろう。そそくさと朝食を済ませていく。きままな旅人はぼくくらいなものだ。
 時刻は午前8時少し前。ぼくはホテルをチェックアウトした。倉敷の空は青く澄んでいた。風もそれほど冷たくない。今日は気持ちの良いドライブができそうだった。まず友人Kの母校に行ってみることにした。その後は岡山の北の方にある湯原温泉に行ってみるつもりだ。他に行くところは決めていない。
 最初に友人Kが卒業した倉敷市立南中学校に行くことにした。カーナビで検索するとホテルから20分くらいの距離だった。途中、路地のような道に入ってやや迷ったが、8時半くらいに南中学に到着。まだ春休みになっていないらしく、通学する生徒を見かける。ぼくは校門の前に車を止めて、校舎を撮影。K君、ここでしょうか?ちょっと遠方から校舎。これは体育館かな
 次はまたまた友人Kの母校、岡山県立古城池高校へ。南中学から10分くらい。また路地のような道で少し迷ったが、何とか発見。高校もまだ春休みになっていないらしく、通学の生徒が自転車で横切っていく。高校からやや離れたところに駐車場を発見し、車を止めた。通学の女子高生が眩しい。カメラを持ちながら高校の周りをうろうろしているぼくはいったいなんなんだろう。変な人かもしれない。
 古城池高校の校門。藤棚の下を学生がくぐっていく。やや遠くから校舎。あのころと変わっているかな。K君が言っていたお好み焼き屋はこれ?別な角度から学校の前の小道。見覚えある?もう一度、校門と藤棚。 
 友人Kの母校や通学する高校生を見ているうちに、ぼくはノスタルジィを感じていた。
 あれから−
 あれから、何年たったでしょうか。
 まだ、何も知らなかった無垢なぼくがいた。
 毎日、毎日、遊ぶことしか、考えていなかった、ぼくがいた。
 やがてぼくは愛情の美しさを知った。
 やがてぼくは愛情の切なさを知った。
 やがてぼくは愛情のはかなさを知った。
 やがてぼくはひとのいやらしさを知った。 
 やがてぼくはひとの醜さを知った。
 やがてぼくはひとのすばらしさを知った。
 あのころのぼくはどこへ行ってしまったんだろう。
 これからぼくは何を知るんだろう。
 ぼくは涙で霞んだ古城池高校を後にした。

 倉敷から国道429号、183号、313号と岡山を北へ向かう。道は空いている。透き通るような青空を見ながら、気持ちのよいドライブとなった。およそ3時間ほど山道を走ると湯原温泉に到着した。途中、電光掲示板で岡山の峠道凍結などと出ていたため、やや心配だったが、湯原温泉までの道では凍結はなく、快調に飛ばすことができた。
 湯原温泉の砂湯は、露天風呂番付で西の横綱にランクされる。湯原温泉郷を流れる旭川の上流の河原にあり、川床から涌き出る温泉を石で囲った天然の露天風呂。もちろん無料だ。
 ぼくが砂湯に到着したときは、おじさんが2人入っているだけだった。風呂の前には男女別の脱衣所があるが、風呂は混浴である。湯は3つある。美人の湯、子宝の湯、そして長寿の湯だ。長寿の湯は若干温度が高め。他はぬるめで長く浸かっていられる。
 風呂に入って、空を見てみる。空はどこまでも青く、所々に霞んだような雲がある。
 川面を渡った涼風が頬をなでる。せせらぐ川の音が心地よい。
 ぼくは湯に浸かりながら何度もため息をついた。体が芯から温まっていくのがわかるような気がした。
 湯に浸かっていると、若い女性が入ってきた。温泉に入ると、ちょっと恥らいながら、体に巻いていたタオルを取りさった。女性は気持ちよさそうに美人の湯に入って伸びをしていた。ぼくは今までいくつかの混浴風呂に入ってきたが、このような大胆な人はいなかった。さすがに西の横綱、湯原温泉である。
 温泉を楽しんだ後、どこへ行こうかとしばらく思案した。時刻は午後1時過ぎ。昨日しっかりと睡眠んを取ったつもりだが、体にはまだ疲れが残っている。しばらく思案した結果、家路につこうと決心した。カーナビでアパートまでのルートを検索した。このまま一気に高速を使って帰ろうか、下道でゆっくりと走り、途中どこかの健康ランドでもう一泊しようか迷ったが、高速を使って一気に帰ることにした。

 湯原インタから米子道に乗り、中国道に入って、ひたすら東を目指す。道は空いている。ちょうど夕方になるころ神戸を過ぎた。吹田JCあたりで若干渋滞したが、いらいらするほどの渋滞ではない。名神も空いているようだったので、名神高速を使うことにした。名神でそのまま名古屋まで行き、東名に入り、豊田インタで降りた。高速道路ではほとんど渋滞はしなかったが、走っている間、意識が朦朧としてきた。前回九州へ行った時と同じだ。以前は車の運転でこんなに疲れることはなかった。これは歳だろうか。体力がなくなっているのか。
 とにかく無事豊田インタを降りて、刈谷のアパートに着いた。今回の旅での走行距離は1500kmほど。
 旅発つ時は四国へ行くなんて思ってもいなかった。倉敷も、湯原温泉も、そうだ。行き先のない旅も、時間がたくさんあれば楽しい。さて次はどこへ行こうか。北海道はまだ雪が残っているのだろうか。

(了)


 - 国道429号 -
気持ちの良い峠道

  - 湯原温泉 砂湯 -
露天風呂 西の横綱


 - 湯原温泉 砂湯 -
ダイナミックな露天風呂


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