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20020813
陸海岸、そして帰路(2002.8.14-15)

20020813
- 青森県八戸市 → 静岡県清水市-

 荒れた海からの大きな波が川を逆流させて、僕の家のすぐ近くまで迫っている。僕が2階の窓から見ていると、家の前の道路も濁水で溢れている。今にも家を飲み込みそうだ。
 −ざぶん。
 海鳴りがする。
 −ざぶん。
 川と海の境界線があいまいになっている。
 −ざばん。
 川と道路の境界線は、もうない。
 −ざばん。
 飲み込まれる。すべて。。。。

 はっと気が付くと、友人Sの運転するマークIIクオリスはくねくねとした海沿いの道を走っていた。僕はいつの間にかぐっすりと眠っていた。僕が寝ている間に岩手県宮古市あたりまで来ていた。
 海が荒れている夢をよく見る。僕の実家は静岡県清水市でいつも海を近くに感じていた。台風が接近して荒れた海を小学校への通学路から見た。その印象が頭の片隅にこびりついているのだろう。橋を飲み込みそうな大波。砂浜がなくなった海。逆流する河川。僕はその時の茶色に濁った土砂や、暗く黒い海をはっきりと覚えている。そしていつか陸地がすべて飲み込まれてしまうような恐怖を感じていた。今でもふと気づくと海鳴りが遠くから聞こえてくるような気がする。
 「なんかさあ、全然起きないからさあ」
 「曲がりくねった峠道を走っていて、車結構ゆれてたのにさあ」
 友人Sがつぶやくように言った。
 僕は車のゆれはまったく感じていなかった。
 実は僕は最近不眠症ぎみだった。悩んでいる。夜ぐっすりと眠ることができない。いろんな感情が頭の中で渦巻いて、精神が不安定になる。結局、考えてはいけないことを考える。僕は何故ここにいるのだろう。何故宇宙はあるのだろう。勿論答えは見つからない。いや答えはないのかもしれない。「このままで良いのか」という問い、おそらく何をしていても、どんな生き方をしても、その問いは自分自身に向けられる。僕はその問いに答えようと思い、考える。
 −ただ忙しいだけの毎日。
 −辛いだけの毎日。
 −僕はいったい何をしたいのだろう。
 解らない。僕は何をしたら楽しいのだろう。何のために、今ここに在るのだろう? そう考えると今やっていることがすべて馬鹿らしくなる。希望が持てなくなる。はっきりいって僕の心は軟弱だ。でもそれが「人間らしさ」なのではないか。僕は最近そう思うことにしている。
 車は三陸海岸国定公園付近を走っていた。どこか景色の良いところはないだろうか。小学生のころ社会科の教科書で、砂浜がなく山地が海まで迫っているリアス式海岸の写真を見た覚えがある。そんな景色をこの目で見てみたい。
 適当なところで左折ししばらく走ると、そこは崎山姉ヶ崎周辺だった。変化に富んだ美しい海岸線が魅力の陸中海岸。そのほぼ中央に位置する。あまり人気のない駐車場に車を止めて海岸に出てみる。砂浜のほとんどないリアス式海岸だ。森と海が溶け合うように接近している。
 ごつごつとした岩肌の下の方に潮吹き穴があった。海の侵食によって海岸の岩に空いた穴に波が打ち寄せると、その圧力によって水しぶきが上がるという。展望台からしばらく潮吹き穴を見ていた。大きな波が打ち寄せると微かに水しぶきが上がった。海がもっと荒れていれば豪快な潮吹きが見られたのだろう。
 1時間ていど姉ヶ崎周辺で過ごした後、近くのラーメン屋でちょっと遅い昼食にした。ラーメン屋のテレビで東京湾に出現したアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」の話題を取り上げていた。アザラシを追いかけるマスコミ。煽られて見物にいく一般大衆。日本は平和だ。


-姉ヶ崎周辺 -
変化に富む海岸線


- 潮吹き穴 -
微かに水しぶきが。。。


- 姉ヶ崎周辺 -
森林が海岸線まで迫っている


 十和田湖、三陸海岸を走破し、今回の我々の旅の目的はほぼ達成された。後は清水へ戻るのみ。時刻は午後2時くらいだ。今日中に戻るのはかなりきつい。仙台あたりでもう一泊することにした。
 名取市にある東北健康スタジアムテルブという健康ランドについたのは8月13日の夕方だった。入り口にゴージャスな彫刻があったりした。健康ランドに泊まるのは4泊目になる我々はもうあたりまえのように湯に漬かり、ビールを飲む。湯上りのビールはいつでもうまい。めったに酒を飲まない友人Sは4日連続ビールを飲むなんて何年ぶりだろうと言っていた。いや初めてだったのか。
 8月14日、午前8時頃、東北健康スタジアムテルブを出発した。テルブでは朝市のようなものが催されていた。後はひたすら東北自動車道を走った。途中、予想通り帰省渋滞した。渋滞の中、激しい雷雨になった。稲妻がくっきりと見えた。ゴロゴロ、ガシャーンという雷の音が車内を通り抜けていくように感じるほど激しい雷雨だった。
 ようやく渋滞を抜け、ややこしい首都高をなんとか通り過ぎ、東名高速に入ったのは深夜すぎだった。足柄SA(おそらく)で最後の休憩を取り、午前1時近くになりようやく清水に到着した。帰りは二人ともかなり疲れていた。実は僕はふらふらになるほど疲れていた。とにかく4泊5日の東北への旅は無事終わった。今回の旅でもいろいろな発見をした。美しい風景も見た。友人Sともいろいろな話をした。そしてなによりも心が癒された。S君お疲れ様でした。
 さて次はどこへ行こう?まだ走ったことのない九州は今の僕には魅力的だ。まだまだ旅は僕を誘惑してやまない。

<了>


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